被災地:徳島市応神町
私が昭和南海地震を体験した当時は十四歳だった。当時の住まいは現在と同じ応神町にあり、木造の二階建ての家で暮らしていた。当時の様子は今でもよく覚えている。自宅で寝ていたところに地震が起こり、あわてて外に飛び出そうとしたが、雨戸が開かなくてなかなか逃げることができなかった。
そのときの揺れは大きく、地震が来たすぐはもちろんだが、その後しばらくしてからひどい横揺れがやってきた。そして、地面が左右に1mぐらいスライドしているような感覚で、その揺れは5分ぐらい続いた。その後の余震は30分に一度ぐらいあったがそんなに大きくはなかった。
この揺れで、私の家も含め近所のほとんどの家で、床の間の座板が抜けたり、壁が崩れたり、二階への階段が崩れたりしていた。近所に古い借家(長屋)があったが、それが潰れたりしていた。しかし、けが人等が出たという話は無く、火災もなかった。津波が来たかどうかはわからない。
この地震で困ったことというのは、当時の井戸というのが竹を地面に打ち込んだ井戸だったが、それが傷んで水の出が悪くなったり濁ったりしたことだった。その他に停電もしたが、その日の昼には回復した。当時、消防団があって台風のときは活動していたが地震のときは活動していなかった。
最後に地震を経験しての教訓としては、(1)家が歪んでも逃げられるように戸をすぐに開けるようにする(2)火の始末をきちんとする(3)耐震住宅を建てる等といったことである。